相続のご相談

相続・遺産分割事件については、多くの事件を調停や審判で解決する中で得た知識や経験を生かして、相続をされる方の適正な法的利益(相続による利益)を守るため、当事務所の総力を挙げて、迅速・適正な解決に取り組みます。
遺産分割には、相続人の確定、遺産の範囲の確定、遺産の評価、分割方法、特別受益、遺留分、寄与分、遺留分減殺請求など難しい問題がたくさんあります。
経験豊富な当事務所にご相談ください。

相続問題のご相談・解決事例

姪に全財産を相続させる公正証書遺言をされた事例

高齢のAさんには夫や子供はおらず、父母もすでに死亡しています。兄弟姉妹がいますが、仲が悪く、Aさんは兄弟姉妹には財産を相続させたくありません。Aさんは、仲の良い姪に相続させたいと考え、姪に全財産を相続させるとの遺言をしたいと、当法律事務所へ相談にこられました。当法律事務所では、Aさんに公正証書遺言を勧め、Aさんは姪に全財産を相続させるとの公正証書遺言をされました。

よくあるご質問

父の遺産を叔父と分ける場合

【質問】私の父が亡くなりました。母はすでに亡くなり、私に兄弟姉妹はいませんが、亡父の兄である叔父がいます。遺産はどのように分けることになるのでしょうか。

【回答】相続人はあなた一人です。子供であるあなたがいる場合、亡父の兄弟は相続人にはなりません。亡くなった方(被相続人)の配偶者(夫または妻)は必ず相続人になります。被相続人の子供は第1順位で相続人になります。子供がいない場合には被相続人の父母が第2順位で相続人になります。
被相続人に、子供も父母もいない場合(父母は死亡している場合)には、被相続人の兄弟姉妹が第3順位で相続人になります。子供などが複数人いる場合には、按分して取得します。

夫の遺産を夫の家族と分ける場合

【質問】私の夫が亡くなりました。私たち夫婦には子供がいません。夫の父母や夫の兄弟にも遺産を分けなければならないのでしょうか。

【回答】亡夫の父母が健在である場合には、あなたと亡夫の父母で遺産を分けることになります。あなたの相続分が3分の2、父母の相続分は3分の1(父母の相続分は各6分の1)です。夫の父母が亡くなっている場合には、あなたと亡夫の兄弟姉妹が相続人になります。あなたの相続分が4分の3で、兄弟姉妹の相続分は4分の1です。

遺留分と遺言の関係について

【質問】私の夫が亡くなりました。私たち夫婦には子供がいません。夫の父母はすでに亡くなっていますが、夫の兄弟は存命です。私の夫は、遺産をすべて私に相続させるという内容の遺言をしています。ところが、夫の兄弟が「自分たちにも4分の1の相続分があるはずだ」と言ってきました。4分の1は夫の兄弟に分けなければならないのでしょうか。

【回答】遺言がある場合には、法定相続分より遺言が優先します。ですから、あなたが遺産をすべて取得することができます。亡夫の兄弟は、遺留分を主張することもできません。このように、夫婦に子供がいない場合には、亡夫の父母や兄弟に相続分がありますから、夫の存命中に、遺産をすべて妻に相続させる内容の遺言をしてもらっておくと良いでしょう。ただし、亡夫の父母には遺留分がありますから、亡夫の父母が遺留分を主張した時には、6分の1(法定相続分の2分の1)は遺留分として亡夫の父母が相続することになります。

夫の遺産を亡くなった夫の子供と分ける場合

【質問】私の夫が亡くなりました。亡夫は私と結婚するまえに同棲していた女性がいて、その女性との間に子供がいます。その子供も相続人になりますか。

【回答】その子供が認知されている場合には、相続人になります。

夫の遺産を自分の子供と分ける場合

質問】夫が亡くなり、妻である私と3人の子供が遺されました。相続分はどのようになりますか。

【回答】配偶者であるあなたが2分の1、子供が2分の1相続します。子供は3人いますから、按分して各6分の1を相続します。

夫の遺産を夫の父母と分ける場合

【質問】夫が亡くなり、妻であるわたしと夫の父母が相続人になりました。相続分はどうなりますか。

【回答】あなたが3分の2、父母が3分の1となります。父母は3分の1を按分して、6分の1ずつを相続します。

夫の遺産を夫の兄弟姉妹と分ける場合

【質問】夫が亡くなり、妻である私と、夫の兄弟姉妹が相続人になりました。相続分はどうなりますか。

【回答】あなたが4分の3、兄弟姉妹が4分の1を相続します。兄弟姉妹が複数いるときは、按分して取得します。

父の遺産を兄の子供と分ける場合

【質問】父が亡くなりました。母は父より前に亡くなっています。私は二人兄弟ですが、私の兄は父より前に死亡し、兄には子供がいます。このような場合、相続分はどうなりますか。

【回答】あなたの兄の相続分は兄の子供が代襲相続します。ですから、あなたが2分の1、あなたの兄の子供が2分の1を相続します。

内縁関係の場合

【質問】私はある男性と30年以上内縁関係にありましたが、その男性が亡くなりました。私は男性の遺産を相続できるでしょうか。

【回答】内縁関係の場合、相続権はありません。

父が亡くなっている場合の祖父の遺産

【質問】私の祖父が亡くなりました。私の父はすでに死亡しています。孫の私は祖父の遺産を相続できるでしょうか。

【回答】あなたの父がすでに死亡している場合には、あなたが代襲相続により遺産を相続することができます。

生命保険金の扱いについて

【質問】私の父が亡くなりました。父は私を受取人とする生命保険に入っていました。この死亡保険金は遺産に含まれるのでしょうか。

【回答】遺産には含まれません。また、生命保険金は遺留分減殺請求の対象にはなりませんし、原則として特別受益にもなりません。

すでにいくらかの贈与を受けている場合の相続

【質問】私の父は、土地建物(5,000万円)のほか5,000万円の預貯金を遺して亡くなりました。相続人は、私と兄です。兄は、父の生前、自宅新築資金として2,000万円の贈与を受けています。この場合、遺産相続はどのようになりますか。

【回答】兄が贈与を受けた2,000万円は特別受益になるので、これを相続開始時の相続財産1億円に加算して、合計1億2,000万円をみなし相続財産として、これに相続分(各2分の1)を掛けて、各相続人の取得すべき相続分(6,000万円)を算出し、兄については、取得すべき相続分から贈与を受けた2,000万円を差し引くことになります。

遺留分減殺請求権について

【質問】私の父は、財産をすべて私の弟に相続させるとの遺言をして亡くなりました。相続人は私と弟だけです。私は遺産を取得できないのでしょうか。

【回答】あなたには遺留分がありますから遺産の一部を取得することができます。あなたの遺留分は、遺産の4分の1です。父が亡くなったことと遺言の内容を知った時から1年以内に、弟に対して遺留分減殺請求権を行使する必要があります。通常は、遺留分減殺請求権を行使したことを証拠化するために、配達証明付きの内容証明郵便で行使します。